「ウィザードリィ」というテレビゲームがある。
コンピューターRPG(ロールプレイングゲーム)の元祖で、あのドラクエ(ドラゴンクエスト)も「“和製ウィザードリィ”を目指した」というくらい、原点ともいえるものである。
今から考えれば「ちゃちい」印象を受けるかもしれないが、ファミコン版やパソコン版となどいろいろなプラットフォーム(ゲーム機)に移植されたし、未だに高い評価が得られていることから、歴史に残る秀逸の作品と言えるだろう。
このゲームは、元祖はApple][というパソコンで1981年(昭和56年)にアメリカで発売された。(Apple][については別項参照)
ドラクエ(1)が発売されたのが1986年で、これのファミコン版が出たのが1987年(昭和62年)だから、日本では発売時期が逆転した形になったが、それまで日本にはコンピューターRPGというジャンルのソフトはなかったに等しいので、このドラクエでRPGゲームの面白さが理解され、以降RPGゲームが広まるようになった。
ウィザードリィの面白さを説明するのは難しいが、ドラクエと比較すると、映画の“ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)”と“ハリー・ポッター”のような関係、と言えるのではないかと思う。
“ハリー・ポッター”も「ファンタジー」の一種ではあるが、どちらかと言えば「冒険活劇」であり、『軽いファンタジー』と言えよう。一方、“ロード・オブ・ザ・リング”は『コテコテのファンタジー』で、素人には少し受け付けにくいところがある。
ドラゴンクエストはハリー・ポッターと同じでファンタジーの初心者向けであり、ウィザードリィはファンタジーの世界をある程度知っているマニア向けと言える。それゆえ、奥が深い。
RPGゲームのファンには、「原点はここから始まった」ということを知ってもらうためにも、ぜひ日本語版でいいから一度は試してもらいたいと思う。
オープニング画面
Apple][版(1981年)

ものすごく「ちゃち」く見えるが、初めてのRPGなので人々の衝撃は大きかった。
ファミコン版(1987年)

パソコン版はキーボードで操作するがファミコンにはないのでコントローラーで操作する。
しかし、だからこそ逆に操作性は高くなり、本家の作者がうなったほど移植がよくできていた。
ゲームボーイカラー版(1999年)

いつでも携帯して遊ぶことができるようになった。ただし、カラーでない初代のゲームボーイでは動かない。
もっともゲームボーイアドバンスでは動くので、そちらでするほうがお勧めかもしれない。
スーパーファミコン版(2001年)

シリーズの1~3を一つにまとめたパック。パッケージ(箱)入りの通常商品ではなく、スーパーファミコンの書き換えシステムでしか購入できないので、知名度は非常に低い。
キャンプ(戦闘準備)画面
Apple][版

文字ばかりの画面である。(もちろん英語、しかも大文字のみ)
ファミコン版

画面が洗練されて見やすくなっている。
ゲームボーイカラー版

基本的にはファミコン版と同じだが、画面の解像度が小さい分、文字や配置が窮屈になっている。
スーパーファミコン版

基本的には同じものである。
ダンジョン移動(キャンプ解除直後)画面
Apple][版


色がにじんでいるのは、Apple][の画像出力の問題である。先ほどまではテキスト(文字)専用画面であったため白黒の色がはっきり出ていたが、ここからはグラフィック画面であるため、どうしても色がにじんでしまう。と、言うか、エミュレーター(再現ソフト)も色のにじみまで正確に再現しているのがある意味すごい。色は全部で6色の表示が可能。画像解像度は288×192ドット。
ファミコン版

ファミコンとApple][はどちらもCPUは同じ「6502」(厳密にはファミコンは専用のカスタムチップ)を使用している。だが、ファミコンのほうがゲーム専用機ということもあって、画像出力はきれいになっている。色は全52色中同時出力は25色。画像解像度は256×224ドット。
ゲームボーイカラー版

色は全32768色中56色表示が可能である。しかし解像度は160×144ドットとかなり狭い。
スーパーファミコン版

色は32768色中256色。解像度は256×224ドット。
戦闘画面
Apple][版

今から考えればモンスターのグラフィックなど
『なめとんのか!』
とクレームが来そうだが、これでも
“世界初として画期的だった”
のである。
ファミコン版

グラフィックもさることながら、操作性が高いので快適にゲームが楽しめる。
モンスターはプロのデザイナーによるデザインで、この絵もファミコン版の人気の理由になっている。
ちなみに音楽は、故・羽田健太郎先生による作曲であり、これもゲームを盛り上げる大事な要素となっている。
ゲームボーイカラー版

グラフィックは格好いいが、キャラクターのステータス(状態)は全員分表示されないので、ある程度覚えておかなければならないのがつらい。
スーパーファミコン版

やはり綺麗である。
デザインは基本的に同じ人(末弥純)のものを使っている。
Apple][版の特徴
それ以外にも、元祖Apple][版は、
- (他のパソコン版も同様だが)呪文の入力は選択性ではなくスペル(つづり)をキーボードから入力する。もちろん間違えれば呪文は発動しない。
- 宝箱を開ける前の罠解除も、つづりで入れなければならない。
- 迷宮の途中でリセット(または電源オフ)をすると、救出ディスクで城に戻さなければならない。ファミコン版などではそのまま続けることができる。
- ワードナ(ラスボス)が“友好的”になることがある。
といった特徴がある。
ドラクエとWizの違い
| 内容 |
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ドラクエ全般 |
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Wiz1 |
| 初発売 |
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1986年 |
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1981年 |
| 初媒体 |
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ファミコン |
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Apple][ |
| 位置付け |
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日本のコンピューターRPGの原点 |
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世界のコンピューターRPGの原点 |
| 目的 |
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広大なマップを旅して各イベントをクリアし、最終ボスを倒す |
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ただダンジョン(洞窟)を下りて(3:上って)最下層(3:最上層)にいるボスを倒す |
| ゲーム外での作業 |
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とくになし |
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ダンジョンの地図はついておらず、自分で作成する
一歩一歩歩きながら扉の位置や落とし穴の位置を確認し、それを自分でメモ(または方眼用紙など)に記入する(ある意味それが目的のゲーム) |
| パーティー |
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3~4人(ゲームによる、馬車などの追加の仲間があるものもある) |
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最大6人 |
| 主人公 |
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勇者と呼ばれる主人公は必須ではずせない
それ以外は各ゲームの仕様による |
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主人公役は存在せず全部で20名まで登録でき、その中でのパーティー編成は自由(一人パーティーも可) |
| キャラクターの年齢 |
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設定はない |
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作成されたキャラクターに年齢という概念があり、行動をすることで年齢が増えていく
ある程度の高齢になるとレベルアップ時にはステータスが下がっていくようになる
バイタリティ(生命力)がゼロになると消失する
普通にゲームをする分にはまずこのようなところまで行くことはない |
| 町 |
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いたるところに点在しており、出発地より離れるにつれよい装備が売られている |
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地上にあたるスタート地点の一ヶ所しかなく、よい装備はダンジョンの先でモンスターと戦い宝物として入手するしかない
町が一ヶ所しかないので、ドラクエで言うところの教会の役割(毒治療、生き返り)もここでしかできない |
| 全滅 |
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所持ゴールドが半分になり主人公以外の仲間は死んだ状態ではあるが、最後にセーブした場所へ強制移動されるので容易にゲームを続行できる |
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全滅するとそのメンバーは「その場所で死体でころがっている」という状態になり、救出するには5人以下のパーティーを作成してその場所に行き回収する必要がある
せっかく育てた高レベルのパーティーがダンジョンの奥深くで全滅すると、それを救出するパーティーを育てるのにさらに同じくらいの時間が必要となる |
| 生き返り |
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確実に生き返る呪文やアイテム、または不確実に生き返る呪文はあるが、生き返りに失敗してもペナルティはない |
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確実に生き返る手段はない
レベルアップに伴い生き返りの呪文の成功率は上がるし、町での蘇生も可能性は高いが、確実と言うわけではない
生き返りに失敗すると、「死体」から「灰」という状態になる
さらに「灰」からも蘇生は可能であるが、より成功は難しくなり、もしさらにしっぱいすると、消失してそのキャラクターはいなくなり使えなくなる |
| ゲームの終了 |
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9以外は基本的に最終ボスを倒すことでゲームが終了する |
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最終ボスはいることはいるが、倒したあとでもダンジョンでの冒険は可能
滅多に出ないアイテムを集めるために続けている人も多い
一度最終ボスを倒したときにいたメンバーがいるパーティーでは、次からは最終ボスには会えない |